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Lou Donaldson(ルー・ドナルドソン)のアルバムから始まり、オルガンジャズのアルバム紹介で終わるブログです。(前編)

 2024年11月9日に残念ながら、サックス奏者のLou Donaldsonがお亡くなりになりました。(ご冥福をお祈りいたします。Rest in Peace)
 私のブログでもルー・ドナルドソンのアルバムAlligator Bogaloo(1967)を取り上げたことがありました。
 そんなことから、今回、こういったタイミングになって何か残念なのですが、このブログでは、紹介しなかったルー・ドナルドソンのアルバムを2枚取り上げます。
 さらに、ルー・ドナルドソンのアルバムに参加したミュージシャンのアルバムをいくつか取り上げます。

 ルードナルドソンが、オルガンジャズをわかりやすくアレンジした1人のミュージシャンであることがわかると思います。

 ところで、私は、最近、フィリップスのワイヤレスイヤホンTAT1209というお手頃な価格のイヤホンでいろいろと音楽を聴いていました。
 いろいろと聴いていて、割と、このワイヤレスイヤホンと相性が良かったのがオルガンジャスのアルバムでした。ボリュームを中以上にして聴くことでオルガンジャズと相性がいいことがわかりました。

 まずは、1960年代後半から1970年代前半の間にルー・ドナルドソンが発表したアルバムの中から以前紹介したAlligator Bogaloo以外のアルバムを簡単に2枚紹介します。


Mr.Shing-a-Ling(1967) – Lou Donaldson

 参加メンバーは、Lou Donaldsonの他に、organ:Lonnie Smith、trumpet:Blue Mitchell、guitar:Jimmy Ponder、drums:Idris Muhammadというメンバーで録音されたアルバムです。
 一番有名なのは、1曲目のOde to Billie Joeのイントロのドラムの部分ですが、ルー・ドナルドソンのサックスがよい3曲目のThe Shadow of Your Smile(邦題:いそしぎ)が一番の聴きどころではないかというのが私の感想です。
 ルー・ドナルドソンのサックスだけでなく、オルガン、トランペット、ギターのソロもミュージシャンの持ち味を出したソロになっています。
 また、Idris Muhammadの切れのあるドラムスもアルバムのポイントです。
 ファンキージャズでもあり、ソウルジャズでもありますが、モダンジャズの雰囲気も少しある演奏です。

Hotdog(1969) – Lou Donaldson

 参加メンバーは、Lou Donaldsonの他に、organ:Charles Earland、trumpet:Ed Wiliams、guitar:Melvin Sparks、drums:Leo Morrisというメンバーで録音されたアルバムです。
 音楽的には、ファンキーやソウルジャズなのですが、5曲目のIt’s Your thingは、どこかファンクっぽく聴えます。
 ここでも、Leo Morrisのドラムスが切れのあるドラム演奏が印象的です。
 チャールズ・アーランドのオルガンは、ソロよりもバッキングのほうが中心に聴こえました。しっかりとしたオルガン演奏です。
 メルヴィン・スパークスのギターは、ソウル風なギターです。
 このHotdogというアルバムは、本格的に親しみやすいソウルジャスのアルバムと言ってもいいかもしれません。

  ルー・ドナルドソンの1960年代後半から1970年前半のアルバムを聴いて思ったことは、当たり前のことなのですが、オルガンジャズに精通していた方だということです。
 調べてみたら、ルー・ドナルドソンは、1950年代後半にオルガン奏者の第一人者であるジミー・スミスと共演アルバムを作っています。それ以降もオルガンを入れたアルバムも作ってきました。
 こういった下地があるからこそ、一般的なスタンダードのオルガンジャスを、シンプルで聴きやすいソウルジャズやファンキージャズといったものにアレンジすることができたのではないかと思いました。
 また、この2枚のアルバムのメンバーを見て、ミュージシャンの起用も音楽性を意識したものであると思われます。特に、オルガンジャズは、ギターとの相性がよく、また、ギターの演奏スタイルで違った音楽性を出すこともできます。
 例えとして、ギターのジミー・ポンダーはジャズ、ブルース寄りの演奏をしますが、メルヴィン・スパークスはソウル寄りのギターを演奏します。Mr. Shing-a-Linngは、モダンジャズの雰囲気が多少残っているのですが、Hotdogに関しては、ほとんどソウルジャズ、ファンキージャズといった感じです。
 
 また、参加メンバーを見て、あれ、おかしいなあと思うかもしれません。それは、なぜかと言いますと参加メンバーにベーシストがいないからです。
 つまり、どういうことかと言いますと、オルガンジャスは、オルガン奏者が、ベースラインを弾きながら、ソロやバッキングを演奏することができますので、必ずしもベーシストは必要ないのです。

 今度は、上記で紹介した2枚のアルバムに参加しているミュージシャンのソロアルバムを紹介しましょう。
 

Lonnie Smith – Drives(1969)

 オルガン奏者のロニー・スミスのアルバムです。
 収録曲で全部で5曲です。
 参加ミュージシャンは、Lonnie Smith – organ、Dave Hubbard – tenor saxophone、Ronnie Cuber – baritone saxophone、Larry McGee – guitar、Joe Dukes – drumsです。
 ベーシストの参加はありませんので、ロニー・スミスが、オルガンの低音部分でベースラインを弾いています。
 アルバム全体としては、基本的にはソウルジャズなのですが、サイケデリックジャズや少しロックな感じもします。
 収録曲の中で、いちばん有名な曲は、よくサンプルで取り上げられている2曲目のSpinning Wheelという曲です。
 私としては、3曲目のSeven Steps to Heaven(マイルス・デイヴィスのカバー)と、5曲目のWho’s Afraid of Virginia Woolf?がよく聴こえました。
 なお、Seven Steps to Heavenに関しては、ライブヴァージョンがあります。
 このライブヴァージョンが収録されているアルバムは、Live at Club Mozambiqueというアルバムで、1970年に録音されたのですが、間が空いて、1995年にリリースされました。メンバーは、ギターがGeorge Bensonである以外は、Driveの参加メンバーとほぼ同じです。ドラムスのジョー・デュークスが派手にたたいています。
 ロニー・スミスのアルバムは、1960年代のアルバムもいいし、2000年代のアルバムも、Beckの曲のカバーやイギー・ポップがヴォーカルとして参加しているアルバムなど取り組みとしては面白いアルバムもありますので、興味がある方は、サブスクで聴いてみてください。

Charles Earland – Black Talk!(1970)

 参加メンバーは、Charles Earland – organ、Virgil Jones – trumpet、Houston Person – tenor saxophone、Melvin Sparks – guitar、Idris Muhammad – drums、Buddy Caldwell – congasです。
 ベーシストは参加していないので、チャールズ・アーランド自身がオルガンでベースラインを弾いています。
 収録曲は全部で5曲です。
 私自身、このBlack Talk!というアルバムを聴いてみて、ソウルジャズとスタンダードなジャズとの中間にあるオルガンジャズのアルバムだなあと思いました。
 それぞれのミュージシャンのソロ(4曲目のAquariusでは、Idris Muhammadのちょっとしたドラムソロもあります。)もあり、それぞれの個性が生きた演奏になっています。
 私が、いいなあと思った曲は5曲目のMore Today Than Yesterdayという曲です。
 この曲は、スパイラル・ステアケース(Spiral Starecase)というグループの1969年のヒット曲で、ホーンが印象的な曲です。
 オリジナルと違い、リラックスした演奏でオルガンジャズの良さがよく出た曲に仕上がっています。
 


 

(続く)

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