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国内初の水素ハイブリッド電車が走行試験を開始と今後の展開

 SDGsやカーボンニュートラルという言葉がよく使われていますが、鉄道も例外ではなく、JR東日本、日立製作所、トヨタは、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリットシステムを掲載した試験車両を開発することで合意しました。水素のハイブリッド電車は、すでにヨーロッパでは、実際に運用されていますが、日本では初となります。また、JR東日本では、水素を燃料とする車両の試験運行を3月から開始しました。私は、鉄道には詳しくないのですが、このことの背景が気になり、調べてみたことをまとめました。それは、CO2削減だけではなく、コストの削減という問題もあるようです。

 水素のハイブリッド電車について書くには、その前がどのようであったのかを調べる必要があると思い調べてみました。以下、JRの車両を中心に書いていきます。

 水素のハイブリットシステムの前には、ディーゼルエンジンと蓄電池のハイブリッドシステムがありました。これは、ディーゼルエンジンの電力と蓄電池の電力の両方で走るもので、2007年、世界で初めて、小海線に採用され、2015年には仙石線に導入されました。さらに、2022年7月には、ハイブリットシステムの特急型気動車が〔特急ひだ〕と〔特急南紀〕に投入されます。これからは、従来の液体式ディーゼル気動車からの置き換えが進み、ディーゼルと蓄電池のハイブリットの気動車も増えると思われます。ディーゼルと蓄電池のハイブリットにより、燃費が少し良くなり、環境性能も少し改善されるので、可能であれば、今後、燃料電池と蓄電池のハイブリット電車が主流になると思われます。

 ハイブリットシステム以外でも、蓄電池で電力を充電して走行する直流式蓄電地電車が2014年に烏山線に導入されました。その後、2016年には交流式蓄電池電車が筑豊本線(若松線)に導入されました。蓄電池電車はCO2排出量の削減には効果的であることと、電化と非電化の線路をまたいで走行することができます。課題は充電に時間がかかることと、輸送距離が短いことです。

 さらに、液体式気動車ではなく、ディーゼルエンジンで発電した電力でモーターを動かし走行させる電気式気動車が、2019年に磐越西線と羽越本線で導入されました。ただし、電気式気動車は環境性能というよりは、電車と部品を共通化することが可能なため、部品の調達コストやメンテナンスコストを減らすことができることが目的であるようです。ディーゼルエンジンと蓄電池のハイブリッドでは、機構が複雑の反面、電気式気動車は、機構が簡素化されていることで、故障が減り、重量も軽いため、主に閑散路線で導入されています。個人的な考えなのですが、電気式気動車は、採算が合わない路線用に作られたのではないかと思いました。例えば、電化されていて、採算が取れていない路線では、非電化にすれば、架線や変電所がいらなくなるため、コストダウンにつながますし、もちろん、それ以外の理由もあると思います。

●まとめ

 環境性能ということから見れば、現地点では、通常の電車に加え、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池のハイブリッドか、蓄電池電車が本命になります。
 ディーゼルハイブリッドと、電気式気動車は環境性能より、コスト削減を意識したものと考えました。やはり、ディーゼルエンジンを積んでいるという時点で、環境性能には疑問が残ります。
 
 では、 これから、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池のハイブリッドと、蓄電池電車はどういう方向に行くのか。
 蓄電池電車は、今後、実験的なものではなく、営業距離が短く、輸送密度がそこそこ良い路線に投入されるのではないかと思われます。購入コストが高いので、採算がとれる路線で走らせるのではと考えました。

 水素を燃料とする燃料電池と蓄電池のハイブリッドの電車の試験走行は、JR東日本が、CO2削減に取り組むものだという意志を私は感じました。蓄電池電車がある意味、最初の第一歩なのですが、現地点では、走行距離の短さや、バッテリーが大きいため車両重量が重くなり速度があまり出せないので、使用が限定的になるため、水素のハイブリッドが、実用的には、本格的な環境性能に取り組む第一歩だと考えました。
 水素のハイブリッドに関していえば、1回の水素補給で1000kmくらい走行することができるそうです。もし、実用化がうまくいけば、新幹線以外の路線に影響を与えることができるかもしれないと、私は推測しました。うまくいくと、非電化でも走らせることもできますので、架線や変電所もいらないためコストの削減もできます。とはいっても、これも2030年までの目標には間に合うかどうかは分かりません。私の考えでは、まだまだまだ先のことのように思えてしまいます。今後、技術の進歩や発明などがあれば早まるかもしれません。

 色々と調べた結果、水素のハイブリッド電車の実用化に向けた試験走行から見えてきたことは、日本政府が2020年に発表した「2050年までにCO2の排出量を実質0にすることを目指す」という宣言からきていると思われます。もし、そうだとしたら、2050年には、ディーゼルエンジンを積んだ気動車はなくなっているかもしれません。ディーゼルハイブリッドや電気式気動車は2050年までのつなぎの役割をするのだと思います。とはいうものの、ディーゼルエンジンを積んでいる気動車というものは、主に地方の非電化路線を走っています。地方の路線というのは、採算が取れていない路線が多くありますので、果たして、2050年までにディーゼルエンジンを積んでいる気動車を全部なくすことができるのかという疑問は残ります。
 
 色々書きましたが、「国内初の水素ハイブリッド電車が走行試験を開始」というニュースが気になっただけで、いろいろと調べたのですが、「2050年までにCO2の排出量を実質0にする」というニュースにまでたどり着きました。この話題に関しては、今は、触れないでいます。私自身が、まだ、このニュースに対して興味があるというところまでにはたどり着いていないのが一番の理由です。私は、鉄道のことよくわかりませんが、自分なりに調べて、ブログにしたことで、少しは理解できたことは良かったと思います。

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