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Kenny Burrellのアルバム  Have Yourself a Soulful Little Christmasを紹介します。

 ケニー・バレルは有名なジャズギタリストですが、Have Yourself a Soulful Little Christmasとうクリスマスアルバムを1966年にリリースしています。今、聞いてみても、あまり古さを感じないアルバムという印象を持ちましたので、今回、一般人の視点から紹介することにしました。

  2022年も残りわずかとなりましたが、12月25日はクリスマスです。海外では宗教色のあるものかもしれませんが、日本では、イベント的なところが大きいです。
 さて、世の中にはクリスマスソングというものがありますが、日本では邦楽、洋楽ともにボーカル物の曲が話題になります。もちろんこれらの曲もいいかもしれませんが、クリスマスを地味に渋く過ごしたいという方には、楽器だけで演奏されている曲のほうがいい時もあります。
 そこで、今回は、クリスマスの夜を地味に渋く過ごしたい人のためにぴったりなクリスマスアルバムを紹介します。

 それは、Kenny BurrellのHave Yourself a Soulful Little Christmasというアルバムです。

 Kenny Burrellは1931年7月31日生まれで、現在91歳です。残念ながら、最近は、事故によるけがのため公には姿を現す機会がない状態です。
 代表的なアルバムとしては、1963年ブルーノートから出した”Midnight Blue”です。(ちなみに、スティービー・レイ・ボーンが取り上げた”Chitlins con Carne”はこのアルバムに収録されています。)このMidnight Blueというアルバムはジャズ・アルバムの特集をやると、よく取り上げられる定番的なアルバムですので、興味のある方は聞いてみてください。この他のアルバムとしては、録音時のメンバー3人が2022年12月現在も90歳代で生存していることが話題の「A Night At The Vanguard」というライブアルバムなど、たくさんのアルバムを出しています。

ケニーバレルのクリスマスアルバムですが、曲数は全部で12曲です。以下、簡単ですが、このアルバムの収録曲の紹介をします。

1 The Litte Drummer Boy

 1941年、Katherine Kennicott Davisによって作られた曲です。前半は、オリジナルのメロディーをオクターブで弾いていましたが、後半からソロを弾きまくるという構成です。後半にホーンが加わることでケニーバレルのソロギターが都会的に聴こえます。この曲でギターソロを弾きまくるのがかえって新鮮に聴こえます。

2 Have Yourself a Merry Little Christmas
 1944年のミュージカル映画「若草の頃」の挿入歌です。この曲では、オリジナルのメロディーをベースに、ていねいに弾いています。ケニーバレルのギターの音がやさしく、暖かく聞こえます。ギターのトーンもよく、美しく感じます。

3 My Favorite Things

 1959年のミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌の1曲です。邦題は「私のお気に入り」です。この曲は、理由はわかりませんが、クリスマスソングとしても流れることが多いようです。私見ですが、私のお気に入りの1つが「クリスマス」ということなのかもしれません。
 ジャズの世界では、この曲は1961年にジョン・コルトレーンによりカバーされています。ケニー・バレルは、「ケニー・バレル&ジョンコルトレーン」というアルバムで共演していますので、あくまでも私自身の考えですが、この曲をカバーすることは、プラン的にはこのアルバムを録音する前からあったのではと考えてしまいます。このアルバムで一番力が入った曲に聴こえました。

4 Away in a Manger

 讃美歌で、ここでは、ストリングスをバックにアコースティックギターで丁寧に聴かせます。

5 Mary’s Little Boy Chile

 カリプソ風のクリスマスの曲です。ここでは、中南米の雰囲気が出て、軽い感じで気軽に楽しめる曲に仕上がっています。

6 White Christmas

 おなじみのクリスマスの曲です。オリジナルは1942年の映画「スイングホテル」の挿入歌です。ここでは、ケニー・バレルのブルージーなギターにピアノが絡み、渋くていい感じに仕上がっています。

7 God Rest Ye,Merry Gentlemen

 讃美歌です。ここでは、オクターブ奏法をメインに弾いています。時期的にも、ウエス・モンゴメリーの影響があるかもしれません。ジャズの雰囲気が出ていい曲です。

8 The Christmas Song

 これも、おなじみのクリスマスソングで、ナット・キング・コール・トリオの録音が有名です。ここでのケニー・バレルのギターは前半はオリジナルのメロディーを弾いて、後半はギターソロを入れての演奏です。安定感があります。

9 Children Go Where I Send Thee

 色々と調べたのですが、正確なことはよくわかりません。クリスマスソングとしてなじみのある曲で、カントリー系のアーティストによくカバーされているようです。ここでは、ソウル風にアレンジされていて、ホーンも入って軽快です。

10 Silent Night

 子供から大人まで多くの方が知っているクリスマスソングです。White Christmas同様、ブルージーなギターです。ポピュラーソングではとても味わえない良い意味でのけだるい雰囲気がよく出て良いです。まさに、深夜に静かに一人でクリスマスを過ごしたい人向けの曲です。

11 Twelve Day of Christmas

 クリスマスの12日間というタイトルで知られている曲です。ストリングスから始まり、ゆっくりした曲かと思いきや、結構ソロを弾いている曲です。ケニー・バレルのギターソロのフレーズの良さが出た曲です。

12 Merry Christmas Baby

 1947年に録音されたJohnny Moore’s Three Blazersのブルース調の曲です。
 ケニー・バレルのこのカバー曲は、最初のギターの音を聞いた瞬間、Midnight Blueの雰囲気が出ています。その後ジミー・スミスみたいなオルガンが入ってきて、ケニー・バレルらしさがさらに前面に出ます。そして、後半からホーンが入ってきてクリスマスぽくなってきます。私としては。この曲が一番ケニー・バレルらしさが出ている曲だと思います。
 

 以上、収録曲の簡単な紹介でした。

 一般的な歌詞のあるクリスマスソングのほうが人気があるようですが、ケニー・バレルのクリスマスアルバムは、ボーカルは1曲も入っていなく、全曲インストゥメンタルなので、言葉に左右されずに聴くことができますので、ぜひ聴いてみてください。

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