TSMCが日本に新工場を建設というニュースから日本の半導体企業のことをイメージした。
世界的半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)は、2022年に日本に新工場を建設し、24年に稼働を開始する方針を明らかにした。
私は、半導体のことなど全く知りません。だが、なぜ、台湾の企業の工場建設のニュースが話題になるか、そこから何がわかるのか。私なりに調べて、書いてみることにしました。正直な話、全く知識がありません。でも、こういう機会を利用して、自分も勉強して書くことによって、半導体の業界がイメージできればプラスになるかなと思います。
また、この文章には「論」がありません。つまり、論文ではないということです。あくまでも、私的で、スケッチ的な文章になっています。したがって、知識がある人には面白くないものかもしれません。そのへんのことをご了承願います。
日本の半導体産業は現在どうなっているかを調べてみると、日本は半導体メーカーのトップテンにも入っていなく、半導体受託製造メーカーのトップテンにも入っていません。半導体製造装置メーカーには、日本企業はトップテンに入っています。日本の半導体メーカーは1980年代は世界第一位でしたが、バブル崩壊後は凋落の一途をたどりました。私は、どうして凋落したのかを調べたら、日本のメーカーは過剰性能と技術過剰であったということでした。つまり、必要以上の性能と技術、品質にこだわりすぎて、コストがかかってしまい、利益が出ないのが原因です。とってかわって出てきた、韓国、台湾の会社は、歩留まりの向上にこだわり、安く作るための技術がありました。つまりローコストで製品を製造する技術があるのです。
日本は、バブル期に高品質高性能でシェアが世界1位になりました。だが、それは、大型コンピューターがメインの時代だから、高品質高性能のものに需要があったのです。しかし、バブル崩壊後、パーソナルコンピューターがメインになり、半導体も、高品質高性能である必要がなく、その結果、低コストで大量生産していた韓国にシェアで抜かれて競争力を失い、撤退にまで至ったのです。
いろいろありますが、やはり成功事例を捨てきれないのではないでしょうか。高性能高品質でなければ売れない、高性能高品質であればNO.1になれる、そう信じてやってきたからこそ、その手法を捨てきれないのではないか。たとえ形を変えたとしても、理念が変わらなければ、何も変わらない。コストのこと考えずに作れば、技術があればいい品ができるのはある意味当然のこと。需要の変化に対応することもなく、ただ高性能を売りにしてもあまり意味がない気がします。高性能にも方向性があり、需要にも方向性があります。それらのことに柔軟に対応しなければ、衰退の方向に流れていくのだろう。
日本企業には、低コストで大量生産する技術が欠けていた。残念ながらそう思わざるを得ない。でも、それは仕方がないことのように思います。日本人の気質が影響している気がします。
半導体製造装置では、日本企業は、世界シェアの約40%を持っています。高性能高品質というものが役立っていると考えられます。だが、高性能高品質にもこれから変化があるので、対応する必要があります。技術が必要でなくなれば、ほかの国でもできる技術になる。もう後は、コストと生産性になる。物を作るにあたり、商品の高性能だけでなく、工程面における高性能も追求しなければ、 これからさらに衰退する可能性が十分あると考えられます。
それと、投資しなければいけない場面で投資できなかった。これはバブル崩壊後、日本企業が動けなったが、韓国企業は投資をした。これも、先々の日本の半導体の衰退にもつながった1つの原因です。
これらのケースは、液晶パネルでも当てはまるのではないか。シャープが有名ですが、結局は台湾企業の資本下に入ることになりました。ジャパンディスプレイも結局のところ、エルピーダメモリの例に似ているのではないかと思うのです。複数の企業を合併して競争力を強めることで、シェアを得ようとしましたが、最初だけで、あとは赤字ばかりが増え、最後は、他の企業に買収されるパターンです。
高品質高性能にこだわりすぎている気がしてならないのです。
半導体、もしかしたら液晶パネルも、技術が行き着けば低コストでの量産化しかない。何か同じように感じてならないのです。
TSMCは、半導体受託生産で、世界シェアは約50%とあります。これは、半導体デバイスを安く作るための技術により成り立っています。つまり、低コストで大量生産する技術であります。
そのTSMCが、熊本県に工場を建設します。目的は、日本企業に安定的に半導体を供給することです。
工事の着工は2022年、2024年の操業を目指すそうです。
2021年現在、半導体は、供給不足に陥っています。逆に言えば、需要が多すぎる傾向にあるということです。これは、PCやタブレットや自動車メーカーなどの需要急増によるものです。それにより、半導体企業は好決算の会社が多いです。
以上、雑ではありますが自分で考えたイメージ的な半導体企業の文章でした。
参考文献:日本「半導体」敗戦 湯之上 隆著