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Lou Donaldson(ルー・ドナルドソン)のアルバムで始まり、オルガンジャズのアルバムの紹介で終わるブログです。(後編)

 今回は、前回紹介したルー・ドナルドソンのアルバムがリリースされた時期と同じく、1960年後半から1970年前半にリリースされたオルガンジャズのアルバムを紹介します。
 紹介するアルバムは、すべて、オルガニストのアルバムです。

 最初に、当時のほとんどの主要なギタリストと共演してきたJack McDuffのアルバムを紹介し、Jimmy McGriff、Richard Groove Holmesの順で紹介します。
 

1.Jack McDuff

Moon Rappin’(1969)Jack McDuff

 収録曲は全部で5曲です。
 私としては、あまりアルバムジャケットは、好みではありませんが、音楽に関しては、ファンキーでノリのいいオルガンジャズです。
 このアルバムの中で、よく知られている曲は、2曲目のOblighettoで、サンプルでも使われています。
 基本的にはオルガンジャズなのですが、曲の構成がしっかりしているので、多少、ラフな演奏でも、しっかりした曲に仕上がっています。
 なお、このアルバムでは、ベーシストがベースを弾いています。
 私がオルガンジャズを聴いていて、やはり、ベーシストがいたほうが、グルーブ感が出ると思います。

●Gin and Orange(1969) – Jack McDuff

 スタジオ録音(1曲目、3曲目、5曲目)とライブ録音(2曲目、4曲目と6曲目から8曲目まで)の両方が収録されているアルバムです。
 収録曲は全部で8曲です。
 サウンド的には、スタジオ録音のほうは、ジャズファンクで、ライブ録音のほうはスタンダードなオルガンジャズといった感じです。
 スタジオ録音とライブ録音が交互していますが、違和感なく楽しめる内容となっています。
 スタジオ録音のほうは、このブログでも紹介したPhil Upchurchがベースを弾いていて、グルーブ感があるジャズファンクに仕上がっています。
 ライブ録音のほうですが、こちらもいいライブ演奏をしています。その中でも、特に2曲目のThe Electric Surfboardのムーディーなサックスがいいです。もちろん、ジャック・マクダフのオルガンもいいですし、8曲目のWith The Windのドラムソロもいいです。他のミュージシャンもいい演奏をしています。
 また、ライブ会場の雰囲気の良さもよく伝わる演奏でもあります。

2.Jimmy McGriff

The Worm(1968)Jimmy McGriff

 タイトルのwormを訳すと「ぜん虫」(代表的な虫は、みみず)です。
 日本人には、意味がよくわからないタイトルですが、音楽に関しては、多少、粗削りでありながらもノリがよく、親しみやすいオルガンジャズになっています。
 サウンド的には、オルガンが中心のアルバムではなく、ホーンセクションやギターもフィーチャされていて、トータル的にバランスの取れた音になっています。また、ベーシストがベースを弾いていますので、グルーブ感もある音になっています。
 いちばん有名な曲は、よくサンプルに使われている1曲目のThe Wormです。このThe Wormは、ルードナルドソンにも通じるファンキーなジャズナンバーです。
 私がいいなあと思った曲は、3曲目のHeavyweghtで、豪快なホーンセクションと粗削りなノリがいいです。
 全体的にも聴きやすく、気軽に楽しめるアルバムです。

Electric Funk(1969) – Jimmy McGriff

 収録曲は、全部で9曲です。
 サウンド的には、重厚なジャズファンクといった感じです。
 何せ、ベースがChuck Rainy、ドラムスがBernard Purdieという名プレイヤーのコンビなので、がっちりとしたリズムが特徴の一つでもあります。
 このリズムセクションとホーンセクションをバックに、ジミー・マクグリフがオルガンソロを弾いています。
 オルガニストのアルバムは、ファンクをやっていても、どこか1960年代前半のような、モダンジャズ調の曲があるのですが、このアルバムではそう言ったものがほとんどなく、本格的なファンクのインストと言ってもいいと私は思いました。

Concert: Friday the 13th-Cook County Jail(1973)- Jimmy McGriff /Lucky Thompson

 少しオルガンジャズとは離れますが、いいアルバムなのでもう1枚紹介します。
 このアルバムは、1972年にアメリカの刑務所で行われたライブを録音したアルバムです。(サブスクでは、アルバムタイトルがDo’In Timeとなっています。)
 全部で5曲が収録されていて、最初の2曲がジミー・マクグリフのグループのライブで、後半の3曲がサックス奏者のラッキー・トンプソンのカルテットによるライブです。
 ジミー・マクグリフのグループが演奏した2曲は、オルガンジャズではなく、完全なブルースですが、いいアルバムなのでここで取り上げることにしました。
 ブルースですので、オルガンソロだけでなく、当然、ギターソロも多くあります。
 1曲目のFreedom Suite Pt.1は完全にブルースで、George FreemanとO’Donel Levyのギターが曲の中心で、両者のギターソロはいいブルースフィーリングを醸し出しています。ジミー・マクグリフのオルガンソロも後半にあり、ブルースフィーリングあふれるオルガンソロを演奏しています。
 2曲目のFreedom Suite Pt.2もブルースで、こちらも前半はギターソロが主役ですが、中盤ににジミーマクグリフも熱のこもったオルガンソロを弾いています。最後には、ドラムソロもあります。
 程よい緊張感があり、いい演奏です。
 3~5曲目のラッキー・トンプソンの演奏のほうは、スタンダードジャズの演奏で、安定感があり、よいです。
 ラッキー・トンプソンのサックスソロもよく、Cedar Waltonのエレピのソロもいいですし、ベースのSam JonesとドラムスのLouis Hayesの演奏もいいです。
 4人とも1950年代から活動しているので、コアなジャズファンにはお勧めです。

3. Richard Groove Holmes

Onsaya Joy(1974) – Richard Groove Holmes

 オルガニストのリチャード・グルーブ・ホームスのライブアルバムです。アルバムジャケットは、ライブアルバムとは全く関係ない写真ですが、ライブアルバムです。
 グルーブ・ホームスのオルガンの他、ギターとドラムスのトリオの演奏です。
 ギターのOrville J. Saunders Ⅱは、おそらくThe Brackbyrdsのメンバーの方だと思います。ドラムスのThomas Washington,Jrという方は私にはよくわかりません。でも、いいドラムをたたきます。
 収録曲は全部で5曲です。
 このアルバムのグルーブ感というかノリの良さは、最高です。
 1曲目のSweet Georgia Brownから、勢いあるドラムをバックにオルガンとギターのソロです。リチャード・グルーブ・ホームズのオルガンは、オルガンソロもしっかり弾いて、なおかつ、ベースラインもしっかりと弾いていますので、グルーブ感はすごいです。
 2曲目のOnsaya Joyは、わたしが、このアルバムの中でも1番いい曲だと思っている曲です。
 オルガンソロもギターソロやバッキングもよく、また、オルガンのベースラインもしっかりとしていて、少し長い曲ですが、聴きごたえのある曲です。
 こういったノリが、最後まで続き、本当、聴きごたえのあるライブアルバムになっています。
 少し残念なのは、音源の録音状態が少し良くないところです。
 できれば、いいイヤホンやヘッドホンで聴いてもらえると、さらにこのアルバムの良さがわかります。
 ライブとは、ミュージシャンのネームヴァリューではなく、その場にいるミュージシャンの調和が大事だということがわかるアルバムだと私は思いました。
 

 以上、今回紹介したオルガニストのアルバム以外にも、まだ、多くのオルガニストがいます。
 もし、今回紹介したオルガニストのアルバムが気に入ったのなら、他のオルガニストのアルバムを聴いてみるのもいいかもせれません。
 なお、今回紹介したアルバムは、すべてサブスクで聴くことができます。
 

(終わり)

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ただの人間です。よろしくお願いいたします。