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Paulinho da CostaがWalk of Fameに名を刻む予定というニュースから、Paulinho da Costaの特集です。

 2025年7月にPaulinho da Costaが2026年にWalk of Fameに名が刻まれる予定だというニュースがありました。これは、大変すばらしいことです。
 パーカッション奏者というのは、メインミュージシャンやアーティストのわきを固めるような存在で、ソロアルバムを出さない限り、あまり目立たない存在であります。
 音楽的にもどちらかというと、わき役的な存在のパーカッション奏者Paulinho da Costaが、Walk of Fameに選ばれたことは、個人的には、いい意味で極めて異例なことだと思いました。
 Paulinho da Costaは、1970年代半ばから、現在に至るまで1000以上のアルバムで演奏をしたと言われています。これにライブ演奏を加えればさらに多くの数になります。

 演奏に参加した音楽ジャンルの中心は、ジャズ、フュージョンやスムーズジャズですが、ポップスや、ファンク、ソウルミュージック、R&B、ロック、カントリーまで幅広いジャンルに参加してます。

 では、なぜPaulinho da CostaがWalk of Fameに名が刻むことになったのか。
 いちばんの理由は、勿論、たくさんのセッションに参加したということですが、他にも、大ヒット曲にPaulinho da Costaのパーカッションの演奏が入っているということもあるのではないかと思いました。

 特に、1980年代はPaulinho da Costaがパーカッションで参加している曲やアルバムが、大ヒットしています。
 以下、Paulinho da Costaが参加した主なヒット曲を紹介します。

Michael Jackson

 マイケル・ジャクソンのアルバムには、Off the Wall(1979)Thriller(1982)Bad(1987)のアルバム参加しています。
 パウリーニョ・コスタのパーカッションの演奏が一番目立っているのはOff the Wallですが、私が注目したアルバムはThrillerで、パウリーニョ・ダ・コスタは、Wanna Be Startin’ Somethingと、Human Natureの2曲に参加しています。
 どちらとも、演奏自体は地味なのですが、決して曲のイメージを壊さずに演奏しています。
 Wanna Be Startin’ Somethingに関しては、シェイカーが中心の演奏で、曲調の割には地味な演奏ですが、あくまでも曲全体を理解したうえでの演奏です。曲に合ったパーカッションの楽器選択をしています。
 Human Natureに関しては、これも地味ですが、絶妙な感覚でいい演奏をしています。
 よく聴かないとわかりませんが、さびの部分などでパーカッションの楽器の音がするのですが、これが、曲にうまく馴染んでいます。
 決して、派手に演奏するのではなく、曲に合ったパーカッションの楽器を選択して演奏をしています。
 これが、パウリーニョ・ダ・コスタのいちばんのいいところです。


Lionel Richie

 ライオネル・リッチーのアルバムには、Lionel Richie(1982)Can’t Slow Down(1983)Dancing on the Ceiling(1986)などに参加しています。
 その中でも、私が注目したのは、Can’t Slow Downに収録されているAll Night Long(All Night)とRunning with the Nightの2曲です。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、この2曲だけしか参加していませんが、この2曲ともライオネル・リッチーの代表曲でもあります。
 まず、All Night Long(All Night)に関しては、イントロがパウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションから始まります。アフリカンな感じのする曲で、パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションが曲の全体的な雰囲気を作っています。正に、パウリーニョ・コスタのパーカッションがあればこその曲です。私的には名演だと思っています。
 もう1曲のRunninng with the Nightは、ロック調の曲で、スティーブ・ルカサーが派手にギターソロを弾きまくっている曲です。
 パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションは、最初から演奏していますが、聴きどころは、曲の途中で、ジェフ・ポーカロとのユニゾンに近い演奏をしているところです。
 こういったロック調の曲でも、パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションは、曲に合った演奏をして曲全体を盛り上げています。

Madonna

 マドンナのアルバムには、True Blue(1986)Like a Prayer(1989)に参加してます。
 私が注目したのは、True Blueに収録されているOpen Your HeartとLa Isla Bonitaの2曲です。
 パウリーニョ・ダ・コスタはこの2曲だけしか参加していませんが、この2曲ともマドンナの代表曲でもあります。
 まず、Open Your Heartですが、アップテンポの曲で、パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションは、シンセベースとユニゾンに近い形で演奏しています。
 このコンガをたたくテンポが高速で聴きごたえがあります。ただ、一般的にはマドンナのボーカルを中心に聴いているのが当然のことなので、気づかない人が多いかもしれません。パウリーニョ・ダ・コスタの技術の高さがわかる演奏です。
 もう1曲のLa Isle Bonitaは、パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションから始まる曲です。
 シンセベースやキーボード類などが中心のダンサブルな曲で、ここでは、コンガをリズムよく演奏しています。
 なお、この曲で、アコースティックギターを演奏しているのがBruce Gaitschで、この曲の共作者の1人です。

 パウリーニョ・ダ・コスタの公式ホームページでDiscographyを見ると、海外のミュージシャンやアーティストだけでなく、 渡辺貞夫さんを筆頭に、カシオペア、高中正義さん、ドリーム・カム・トゥルー、T-スクエア、私もよくわからない歌手やミュージシャンまで、たくさんの日本のミュージシャンやアーティストととも共演しています。
 海外だけでなく、日本国内などグローバルに活動しているところが、またパウリーニョ・ダ・コスタが評価されている理由の1つだと思います。
 そのようなことから、共演しているアルバムがあまりにも多いので、パウリーニョ・ダ・コスタさん自身も自分のDiscographyを把握していない部分があるかもしれません。
 私が閲覧した時点で公式ホームページのDiscographyに載っていない日本人歌手もいました。
 それは、2024年の12月6日に不慮の事故でお亡くなりになりました中山美穂さんで、1曲だけですが、わがままな あくとれす(1993)に収録されているA New Dayという曲で、パウリーニョ・ダ・コスタと共演しています。
 この曲は、マドンナのLa Isle Bonitaで一緒に共演していたBruce Gaitschがアコースティックギターを弾いていて、そのギターとパウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションのコンビネーションがベースになっています。
 ドラムスがなく、ギター、パーカッション、フラットレスベース、サックス、キーボードの構成です。
 この曲自体は、しっとりとしていて、カフェの雰囲気を感じさせる曲に仕上がっています。
 パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションに関しては、ドラムスがないので、曲全体の1つのポイントになっています。特に出だしのシンバルは、パウリーニョ・コスタのパーカッションの楽器の選択では割と珍しいのでは。よく考えています。
 演奏自体は、スローテンポの割には結構ノリがよく、コンガのオーバーダブもあり、いい演奏になっています。
 興味がある方は、ぜひ聴いてみてください。

 というわけで、今回は、パーカッション奏者パウリーニョ・ダ・コスタが参加している代表的な曲を紹介しました。
 パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションを聴いていると、自分の持ち場の中から、はみ出すことなく曲のイメージを把握して、しっかりと演奏をしているなあと思いました。
 もしかしたら、考えすぎなのかもしれませんが、こういったことは、日常の中の生活でも何か役に立つ部分があるではとも思いました。

(つづく)

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