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Paulinho da Costaが参加したアルバムを紹介します。⑤

 今回は、1990年~1993年にリリースされたPaulinho da Costaが参加したアルバムを紹介します。
 1990年代になると、パウリーニョ・ダ・コスタも1980年代の勢いみたいなものはなくなり、他のいろいろなパーカッショニストが起用されることが多くなってきました。
 そんな中、1990年代のパウリーニョ・ダ・コスタに関しては、1980年代と比べると活動が少し落ち着いてきた感じがします。ある意味、ベテランの領域に入ってきたのかもしれません。
 今回紹介する1990年代のアルバムに関しては、しっかりとコンガを中心としたパーカッションの演奏をしている曲が多かったです。

●Wilson Phillips(1990) – Wilson Phillips

 3人組女性ヴォーカルグループのデビューアルバムです。
 ポップロックながら、さわやかなコーラスワークとハーモニーが特徴です。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、私が聴いた限りでは、4曲は、確実に参加していて、割としっかりとパーカッションの演奏をしている曲が多いです。
 特に、目立つ曲は、パウリーニョ・ダ・コスタのリフみたいなコンガの演奏から始まる1曲目のHold Onで、このグループの代表曲であります。イントロのコンガだけでなく、さびの部分で出てくるティンバレスも効果的に使われています。
 この曲以外では、Next to YouやYou’re In Love,Eyes Like Twinsなどが、パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションと曲が結構マッチしています。特に、Next to Youは、コンガ、タンバリン、トライアングルをうまく使い分ける自分のスタイルでの演奏で聴いていてよかったです。
 その他では、パウリーニョ・ダ・コスタは、おそらく演奏していませんが、Joe Walshがリズムギターとスライドギターで参加している3曲目のImpulsiveがいい曲です。
 このアルバムを聴いて、できれば、もう1枚、全曲パウリーニョ・ダ・コスタが参加したアルバムを作ってほしかったなあというのが率直な感想です。

●Seal(1991) – Seal

 ヴォーカリストSealのデビューアルバムです。
 基本的には、プログラミングをうまく使用したポップ、R&B、ダンスミュージックなのですが、ギターやベース、ドラムス、パーカッションなどの楽器類を上手く散りばめていて、多様性に含んだ音楽に仕上がっています。
 プロデューサーは、Yes – 90125(1983)などのアルバムのプロデュースで知られているTrevor Hornです。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、私が、アルバムを聴いた限りでは、おそらく5曲くらいは参加しているかもしれません。
 他にもパーカッショニストの方が参加しているか、また、サンプルかシンセパーカッションの可能性もあるかもしれませんが、多分、コンガをしっかり演奏している曲に関しては、パウリーニョ・ダ・コスタの演奏だと思います。
 アルバムの曲の中で、パーカッションの楽器の中で、特にコンガが目立つ曲は、2曲目のDeep Water、4曲目のKiller、6曲目のFuture Love Paradise、8曲目のShow Me、9曲目のVioletです。
 その中で、私の聴いた限りでは、2曲目のDeep Waterに関しては、パウリーニョ・ダ・コスタの演奏なのは、ほぼ間違いありません。
 このアルバムを聴いて、私が特によかったなあと思った曲をあげるとすると、9曲目のVioletで、幻想的な曲で聴きごたえがある曲です。
 なお、このアルバムには、日本人ミュージシャンも参加していて、ギターで鈴木賢司さんが、ドラムスなどで屋敷豪太さんが参加しています。

●The Extremist(1992) – Joe Satriani

 ロックギタリストJoe Satrianiの4枚目のアルバムです。アルバムの収録曲に関しては、オーソドックスなロックや、ドライブ感があるロックが中心で、スローな曲もありますが、基本的には、当然、ジョー・サトリアーニのギターが全面に出た内容になっています。ギターに関しては、テクニックを前面に出して弾くスタイルではなく、曲のメロディを踏まえて弾くスタイルです。
 このアルバムの中で、一番よく知られている曲は、Summer Songで、Play Stationのゲーム「グランツーリスモ4」にも収録されています。ゲーム好きの方なら、もしかしたら、知っている曲かもしれません。
 パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションは、2曲目のThe Extremist、3曲目のWar、4曲目のCryin’、6曲目のSummer Song、7曲目のWhy、8曲目のMotorcycle Driverの6曲で演奏をしています。
 パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションに関しては、タンバリンが中心の演奏になっていますが、その中でも特によかったのは、3曲目のWarのパーカッションの演奏です。良く聴くと、いろいろなパーカッションの楽器を地味に使っていることがわかります。さらに、最後部分では、タンバリンの早鳴らしやコンガも聴くことができます。目立たないところでしっかりと工夫して演奏していることがわかります。

●The Brasil Project(1992) – Toots Thielemans

 ハーモニカ奏者であるToots Thielemansがブラジル音楽にこだわって作ったアルバムです。
収録曲は全部で13曲で、Toots Thielemansは、1曲目から12曲目でハーモニカを演奏していて、13曲目のBluesetteだけは、ギターと口笛を演奏しています。
 アルバムのタイトルがThe Brasil Projectということもあり、ブラジルの主要なミュージシャンが多数参加していて、本場のブラジル音楽の雰囲気がよく出たアルバムに仕上がっています。
 サウンド的には、トゥーツ・シールマンスの味のあるハーモニカの演奏を中心としたボサノヴァ風のゆったりとした曲がメインです。ヴォーカルがある曲とインストの曲が両方ありますが、どちらも、当然、Toots Thielemansのハーモニカが中心のアレンジです。
 パウリーニョ・ダ・コスタに関しては、13曲目のBluesetteの1曲のみの参加になっています。
 1曲のみの参加なのですが、このBluesetteでのパウリーニョ・ダ・コスタの演奏に関しては、結構、凝ったものになっています。
 この曲を聴いていて、パーカッションの楽器の選び方も今までの演奏とは違ったアプローチをしているというのが私がこの曲を聴いた感想です。シェーカーをベースにいろいろなパーカッションの楽器を演奏するスタイルは、私が聴いた中では、あまりなかった気がします。曲の良さをうまく引き出している演奏です。
 私の考えですが、Toots Thielemasといえば、パーカッショニストのラルフ・マクドナルドとの共演が印象的です。そのため、あまりパウリーニョ・ダ・コスタを起用しなかったのでは、と思いました。そういう意味では、ある意味、貴重な共演かもしれません。

●Worth Waiting For(1993) – Jeff Lorber

 スムースジャズ界では著名なキーボード奏者であるジェフ・ローバーのソロアルバムです。
 収録曲は全部で11曲です。
 アルバムの全体的な内容は、少しファンクな感じがあるものの、いたってスムースジャズそのものの音楽で、どこかゆったりとしてクールな感じがします。全曲がスムースなアレンジで、まさにスムースジャズといった感じです。
 サックスやギターのソロ、ヴォーカル入りの曲もあるのですが、やはり、ジェフ・ローバーのキーボード類がサウンドのかなめです。キーボードのソロだけでなく、バッキングでの演奏にも音の使い方に特徴がある気がしました。アルバムを聴いていて、曲のアレンジをしっかりと考えているなあとも思いました。
 パウリーニョ・ダ・コスタ関しては、9曲でパーカッションを演奏していて、しっかりと自分のスタイルで演奏しています。
 なお、パウリーニョ・ダ・コスタは、ジェフ・ローバーのアルバムには1980年代から参加していますが、残念ながらパウリーニョ・ダ・コスタが参加している1980代前半のジェフ・ローバーのアルバムは、日本ではサブスクが解禁されていませんので、現地点では、1980年代前半のアルバムに関しては、中古などのCD,LPを購入して聴くしかありません。
 ジェフ・ローバーに関しては、ソロだけでなく、Jeff Lorber FusionやJazz Funk Soulというスムースジャズのグループでもアルバムを出しています。スムースジャスに興味がある方は、ぜひ聴いてみてください。
 因みに、私は、Jeff Lorber FusionのHacienda(2013)に収録されているThe Steppeという曲が気に入っていて、良く聴いていました。こちらは、サブスクにもありますので、機会があれば聴いてみてください。
 Jeff Lorberを聴いていて、スムースジャズは、気持ちを落ち着かせるのにはいい音楽だなあとあらためて思いました。


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