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サンプルとして曲が使われているミュージシャンのアルバムを紹介します。(Part14)

 前回、取り上げたデビット・ボウイのアルバムLet’s Danceで共同プロデューサーを務めたナイル・ロジャース。今回は、そのナイル・ロジャースが在籍しているグループChicのアルバムと、プロデュースや演奏にも参加したシスター・スレッジのアルバムを1枚取り上げたいと思います。

56. Chic(1977) – Chic

 シックのデビューアルバムです。
 1975年あたりからディスコミュージックというものが盛んになり、その流れからできたであろうアルバムです。
 世間とは、ずれがあるかもしれませんが、あくまでも私が聴いた感想では、サウンド的には、ヴァン・マッコイやサルソウルオーケストラのサウンドをバンド形式にした感じの音楽です。内容としては、インスト系ディスコミュージックにあるストリングスやホーンセクションを交えたサウンドです。シックと言えばストリングスが中心と思われますが、このデビューアルバムでは、ストリングスとホーンが半々といった感じです。ただ、バンドなので、やはり、中心はナイル・ロジャースのギターと、バーナード・エドワーズのベースとトニー・トンプソンのドラムになります。
 サンプルに使用されたことがある曲は、1曲目のDance,Dance,Dance(Yowsha,Yowsha,Yowsha)と、4曲目のEverybody Danceです。
 1曲目のDance,Dance,Danceは、のちのシックのサウンドの方向性を決める曲で、約8分にも及ぶ曲でもあります。
 このアルバムの中で、私が一番印象に残った曲は、4曲目のEverybody Danceで、この曲でのバーナード・エドワーズのベースは、グルーブ感があり、テクニック的にも素晴らしいプレイをしています。

57. C ‘est Chic(1978) – Chic

 大ヒット曲Le Freakを収録したアルバムです。
 このアルバムで、Le Freakの冒頭のギターでもわかりますが、ナイル・ロジャースのリズム・ギターがリフも伴うものとなり、シックの1つのスタイルが確立されます。8曲目の(Funny)Boneも、また、ナイル・ロジャースのリフを伴うリズムギターが中心のインスト曲です。
 前作と同様ストリングスとホーンセクションを使用していますが、このアルバムでは、ストリングスをより効果的に使用しています。
 面白いところでは、3曲目のインスト曲Savoir Faireで、ここでは、ナイル・ロジャースが、オクターブを交えたギターソロを披露しています。サウンド的には、ジョージ・ベンソンのBreezin’みたいな曲です。もしかしたら、ナイル・ロジャースはジョージ・ベンソンの影響を受けているかもしれません。
 なお、サンプルで使用されたことがある曲は、2曲目のLe Freakの他、5曲目のI Want Your Love、3曲目のSavoir Faire、1曲目のChic Cheerなどです。

58. Risque(1979) – Chic

 1979年にリリースされたアルバムで、前作以上に、しっかりと作られたアルバムです。
 サウンド的には、ディスコミュージックなのですが、後半に関していえば、ソウルミュージックとしても聴ける出来であります。
 サンプルとして使用されたことがある曲は、サンプリングの定番でもある1曲目のGood Times、他に、4曲目のMy Forbidden Lover、6曲目のWill You Cry(When You Hear This Song)などです。
 この三作目は、ディスコミュージックから1歩発展させようと試みたアルバムです。ただ、私の考えでは、これが、当時のディスコミュージックの進化の限界だったのではと思います。これ以上のことをすると、ディスコミュージックの枠から外れ、中途半端なソウルミュージックになるケースも十分にあるからです。シックは、今回のアルバムで、音楽的にある意味できわどいスタンスでディスコミュージックを作ったと思われます。

59. We Are Family(1979) – Sister Sledge

 シスター・スレッジの1979年にリリースされたアルバムです。
 このアルバムのプロデューサーは、ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズで、シックがバックバンドとして起用されています。
 アルバムの内容としては、良質なディスコミュージックそのものです。ただ、バックバンドがシックなので、ナイル・ロジャースのリズムギターなどが中心に、曲が展開しています。
 このアルバムを聴くことで、シスター・スレッジの息の合ったヴォーカルと、シックの演奏のレベルの高さ、そして、特にナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズのソングライティングの良さが十分感じられると思います。
 サンプルに使用されたことがある曲は、1曲目He’s the Greatest Dancer、4曲目のThinking of You、5曲目のWe Are Family、6曲目のEasier to Loveなど、このアルバムから半数の曲がサンプルに使われています。

(つづく)

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