スティービー・レイ・ボーン アンド ダブルトラブルに Live in Tokyoというライブアルバムがありました。
2022年にローリングストーンズがエルモカンボのライブ盤をリリースしましたが、実は同じ場所(エルモカンボ)でスティービー・レイ・ボーンand Double Troubleもライブを行っていて、その時のライブはDVDでリリースされています。このDVDに関していえば、結構取り上げられていますので、ここでは触れず、変わりに1985年の来日公演の演奏を収めたLive in Tokyoについて書いてみたいと思います。とは言いましても、私自身、このライブに行っていないだけでなく、発売されたレーザーディスクも所有していないため、推測して書くことしかできません。ただ、私自身が書くことで、さらにLive in Tokyoが取り上げられればという思いから、このブログで取り上げることにしました。
私は、スティービー・レイ・ボーンの良さを知ったのは、ユーチューブでアップされていた1985年の日本でのライブ(Live in Tokyo)の映像を見てからです。いつかは正確には覚えていないのですが、おそらく2010年代なことは確かです。正直、こんなすごいギタリストだったのかと、もっと良さを早く知ればよかったと思いました。ユーチューブでLive in Tokyoの映像を見てから、ライブで演奏した曲が入っているアルバムTexas floodやCouldn’t Stand the Weatherを購入して聴きました。
色々と聞いて、あらためて、私にとってのStevie Ray VaughanのベストはやはりLive in Tokyoであることに違いありません。ただ、これがユーチューブやブートレックでしか見ることができないのが、何か、残念で仕方がありません。
Stevie Ray Vaughan and Double Trouble Live in Tokyoが日本で発売されたのは、1985年1月の公演なので、あくまでも推測ですけど、1980年代には出ていたのは間違いありません。いろいろと調べたのですが、当時のVHSとLDとの規格争いからすると、レーザーディスクのほうから先に出たのではないかと考えました。また、スティービー・レイ・ボーンは当時、エピックと契約していましたので、エピックから出るのが普通なのですが、Live in Tokyoのレーザーディスクに関していえばパイオニアから出ています。つまり、これは、音楽作品ではなく、映画と同じ映像作品という位置づけだと思います。
正直、レーザーディスクとして発売されたのは、運がよかったと思います。理由は、音質がいい。これに尽きます。VHSでも発売されたようですが、音の良さは断然レーザーディスクのほうがいいです。なので、可能性はほんの数パーセントしかないかもしれませんが、もし、Live in Tokyoのマスター版があれば、もう一度、完全な正規版の発売も可能ではないかと考えてしまいます。
この Live in Tokyoの動画は、今でも、ユーチューブ上では見れます。
Live in Tokyoは、Stevie Ray Vaughanの作品の中では、分かりやすく、聞きやすいものです。ライブ会場はホールですので、クラブとは雰囲気が違いますが、演奏とパフォーマンスの割合がよい感じに出ています。(ちなみに、ライブが行われた東京郵便貯金ホール(現メルパルクホール)の席数は、1582席(seats)です)。
オープニングのScuttle Buttin’から最後のTestify~Third stone from the sunまでStevie Ray Vaughanのスタイルや持ち味などが全開です。また、Live in Tokyoので演奏した曲の何曲かはベストテイクといいってもいいものもあります。それだけ、いいライブ演奏であり、もしかしたらこのころが一番のピークだったかも知れません。
スティービー・レイ・ボーンはジャンル的にはブルースギタリストですが、決して、正統派のブルースギタリストではありません。まず最初に、スティービー・レイ・ボーンは、ジミ・ヘンドリクスの影響を受けているからです。そしてもう一つ、ジャズギターの影響もうけています。それを裏付けるものとしては、スティービー・レイ・ボーンの死後に発売された未発表集The sky is Cryingというアルバムの中で、Kenny BurrellのChitlins Con Carneという曲をカバーしています。つまり、スティービー・レイ・ボーンは、ブルースをベースにしてジミ・ヘンドリクスとジャズのエッセンスを混ぜ合わせた独自のスタイルであると私は考えます。(私としては、これも人それぞれなので、それぞれの考えを尊重します)。 ですので、Live in Tokyoは、決してスタンダードブルースだけでなく、ロックやジャズ的なものもちりばめられていて、まさにSRVといった内容になっています。
現在のミュージックシーンでは、ギターの音はあまり目立ちませんが、Stevie Ray Vaughanのギターに関していえば、ギターの演奏スタイルやトーン、テクニックまで、オリジナリティがあり、聞きごたえのあるものです。Stevie Ray Vaughan を聴いたことがない方は、まずは、ライブ(Live in Tokyo)から聴いてもらいたいです。