Paulinho da Costaが参加したアルバムを紹介します。⑫

 今回のPaulinho da Costaが参加したアルバムの紹介は、2001年のエリック・クラプトンのアルバムとジョー・サンプルのソロアルバムとクルセイダースのアルバム、そしてエリック・クラプトンが影響を受けたブルースギタリストでボーカリストでもあるB.B. Kingのアルバムを取り上げました。
 今回のブログ記事を書いていて私が気づいたことは、パウリーニョ・ダ・コスタが参加しているアルバムを年代順に紹介しているつもりでしたが、結構、見落としているアルバムが多かったということです。
 それだけ、パウリーニョ・ダ・コスタが数多くのセッションに参加していたということです。
 あらためて、私は、案外、大変な作業をしているのだなあと思う今日この頃です。

●Reptile(2001) – Eric Clapton

 エリック・クラプトンの14枚目のソロアルバムです。
 収録曲は、全部で14曲。
 内容は、もちろんエリック・クラプトンのギターを中心としたブルースロックです。
 ただ、細かく言えば、普通のブルースロックと違っていて、多くの曲でR&B,ドゥーワップ、ソウルミュージックのボーカルグループThe Impressions(カーティス・メイフィールドが在籍していたことでも知られています。)がバックボーカルで参加していますので、R&Bやドゥーワップな雰囲気がするブルースロックというのがこのアルバムのイメージではないかと思います。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、14曲中11曲に参加してます。(曲紹介の曲目のナンバーが太字になっている曲が参加曲です。)
 私が調べた限りでは、パウリーニョ・ダ・コスタが参加しているアルバムの多くは、フュージョン系とR&Bが中心であり、ブルースミュージシャンとの共演はあまりありません。
 そのため、ブルースの影響を受けているエリック・クラプトンのアルバムにパウリーニョ・ダ・コスタが参加しているのというのは、レアケースとも言えますので、果たして、パウリーニョ・ダ・コスタは、うまく対応できているのだろうかと思いましたが、しっかりと対応できていました。

アルバムReptileの曲紹介です。


 1曲目のReptileは、軽快なサンバ風のインスト曲で、エリック・クラプトンのオリジナル曲です。
曲の冒頭でウインドチャイムの音が出てきたとき、私は、これは、パウリーニョ・ダ・コスタだなあと思いましたが、クレジットを見てみるとパウリーニョ・ダ・コスタの名前はありませんでした。これは、多分、ドラムプログラミングの演奏によるものだと思います。これは、予想外のことでした。
 因みに、この曲でよかったところは、スティーブ・ガッドがブラシを使ったドラムの演奏をしているところで、曲の雰囲気をよく出しています。

 2曲目のGot You on My Mindは、Big John Greerの1951年の曲のカバーです。
 オリジナルは、ゆったりとした曲ですが、エリック・クラプトンのカバーは、ブルース風にアレンジされています。
 この曲のクレジットにはパウリーニョ・ダ・コスタの名前はありませんが、コンガ風の音やタンバリンの音が入っています。パーカッション自体がノンクレジットなので、何か理由があるかもしれません。


 3曲目のTravelin’ Lightは、タルササウンドで有名なJ.J. CaleのアルバムTroubadour(1976)に収録されている曲のカバーです。オリジナルとは違いは、エリック・クラプトンのリードギターがフィーチャーされています。
 なお、Troubadourには、エリック・クラプトンの代表曲の1つであるCocain(Slowhand(1977)に収録)のオリジナル曲も収録されています。
 
 4曲目のBelieve in Lifeは、エリック・クラプトンのオリジナルです。
 ボサノヴァ風の曲で、パウリーニョ・ダ・コスタは、コンガ中心の演奏です。
 なお、Believe in Lifeは、エリック・クラプトンの今の奥さんの送った曲ということでもよく知られています。

 5曲目のCome Back Babyは、レイ・チャールズのRay Charles(1957)に収録されている曲のカバーです。
 オリジナル曲を忠実にカバーしています。エリック・クラプトンがボーカリストとしてレイ・チャールズの影響を受けていることがわかります。

 6曲目のBroken Downは、Reptileのプロデューサーの一人であるSimon ClimieとDennis Morganの共作曲です。
 マイナーブルースで、バックコーラスので参加しているThe Impressionsの良さが出ています。

 7曲目のFind Myselfは、エリック・クラプトンのオリジナル曲。
 この曲でも、The impressionsのバックアップボーカルの良さが出ています。
 ビリー・プレストンのピアノもいいです。

 8曲目のI Ain’t Gonna Stand for Itは、スティービーワンダーのHotter Than July(1980)に収録されている曲のカバーです。
 オリジナルよりロック風で、エリック・クラプトンの力強いボーカルが印象的です。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、コンガ中心の演奏です。
 ほんの少しだけネイサン・イーストのベースソロもあります。

 9曲目のI Want a Little Girlは、1930年代に作られたスタンダードナンバーのカバーです。
 I Want a Little Girlは、ルイ・アームストロングや、B.B.キング、レイ・チャールズ、T-Bone Walker、ウィントン・ケリー・トリオなど多くのミュージシャンにカバーされています。

 10曲目のSecond Natureは、エリック・クラプトンとSimon Climie,Dennis Morganとの共作曲。
 エリック・クラプトンは、ボーカルとスライドギターを演奏しています。Impressionsのバック・ボーカルが曲を盛り上げています。

 11曲目のDon’t Let Me Lonely Tonightは、James TaylorのアルバムOne Man Dog(1972)に収録されている曲のカバーです。
 オリジナルとは違い、ブルース風なアレンジになっています。
 エリック・クラプトンのボーカルも力強く迫力があります。

 12曲目のModern Girlは、エリック・クラプトンのオリジナル曲。
 タルササウンドの影響がうかがえる曲です。

 13曲目のSuperman Insideは、エリック・クラプトンとアルバムReptileにギターで参加しているDoyle Bramhal ⅡとSusannah Melvoinとの共作曲。このアルバムの中で1番ロックしている曲です。
 エリック・クラプトンがいいスライド・ギターを弾いています。

 14曲目のSon & Sylviaは、エリック・クラプトンのオリジナルのアコースティックギターが中心のインスト曲。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、コンガで曲の雰囲気を作っています。

 Reptileでのエリック・クラプトンのギターに関しては、シンプルですが、どの曲も音がとてもよく、演奏もよかったです。

 ところで、アルバムReptileには、Steve Gadd(ds),Nathan East(bs),Billy Preston(Hammond organ,acoustic,piano,harmonica),Joe Sample(electric piano,acoustic piano)など多くのミュージシャンが参加しています。

 その中でも、Joe Sampleは、パウリーニョ・ダ・コスタを1970年代後半から1980年代前半にリリースされた自身のソロやクルセイダースのアルバムで起用しています。
 そこで、ここからは、パウリーニョ・ダ・コスタがメインで参加しているジョー・サンプルのソロアルバムやジョー・サンプルが在籍していたザ・クルセイダースのアルバムの中で、パウリーニョ・ダ・コスタが、いい演奏をしているアルバムを簡単に列挙していきます。

●Rainbow Seeker(1978)

 収録曲は8曲
 パーカッション:Paulinho Da Costa,”Stix” Hooper
 ジョー・サンプルのピアノが中心のアルバムであり、また、ジョー・サンプルのソングライティングの良さもよく出ているアルバムでもあります。

●Caemel(1979)

収録曲は7曲
パーカッション:Paulinho Da Costa(Track 1,2,4,6,7)
ベース:Abraham Labriel(Track 1,2,3,4,6,7)
ドラムス:”Stix” Hooper(Track 1,2,4,5,6,7)
ギター:Dean Parks(Track 1,3,4,5,6,7)
 しっかりと作られたフュージョン。
 1曲目のCarmelは、Dean Parksのギターのリフが耳に残る曲です。この曲は、ジョー・サンプルの代表曲の1つでもあります。

●Voices in the Rain(1981)

収録曲は7曲
パーカッション:Paulinho Da Costa
ベース:Abraham Labriel
ドラムス:”Stix” Hooper
 ストリングスを取り入れた上質なフュージョン。
 3曲目のGreener Grassは、特にラジオのBGMでよく使われていましたので、ご存じの方もいると思います。

●The Hunter(1983)

収録曲は6曲
パーカッション:Paulinho Da Costa
ベース:Marcus Miller(Track 1),Abraham Laboriel(Track2~Track6)
ドラムス:Steve Gadd(Track 1)、Bob Wilson(Track2~Track6)(Seawindというフュージョングループのメンバーの1人です。)
 ジョー・サンプルのピアノなどのキーボードに、参加ミュージシャンの個性を合わせた感じのフュージョン。
 特に、1曲目のThe Hunterは、マーカス・ミラーのベースに合わせる感じで演奏してるパウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションの演奏は聴きごたえありました。

●Street Life(1979)

収録曲は6曲
パーカッション:Paulinho da Costa(Track1~Track5)
 パウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションの演奏がとてもいいです。
 特に、1曲目のStreet Lifeでの最後に出てくるタンバリンの演奏は、とても良かったです。

●Standing Tall(1981)

収録曲は7曲
パーカッション:Paulinho da Costa,”Stix” Hooper
Bass:Mucus miller(Track 1,2,3,6)、Louis Johnson(Track 4)、Wilton Felder(Track 5)
Vocal:Joe Cocker(Track2,4)

ベースラインを生かしたファンキーなフュージョンアルバム。

 このリストの中で私が特にいいなあと思ったアルバムは、Rainbow Seekerと、Street Lifeで私の約3年半前のブログ記事「サンプル4」と「サンプル5」で紹介済みです。
 私が、上記で取り上げたアルバムを聴いてみて、パウリーニョ・ダ・コスタは、結構いい演奏をしているなあと思いました。特に、当時、クルセイダースのメンバーであったドラムスの”Stix” Hooperとの相性が良く、曲を聴いていて、息の合った演奏をしているなあとも思いました。

 エリック・クラプトンで始まり、ジョー・サンプル関連のアルバムを紹介した流れから、最後はパウリーニョ・ダ・コスタと、ジョー・サンプルが参加しているアルバムB.B Kingのアルバムを紹介します。

●Take It Home(1979) – B.B.King

 The CrusadersのメンバーをバックにB.B. Kingが歌とギターを演奏をしているアルバムです。
 プロデューサーは、クルセイダースのメンバーと、クルセイダースのアルバムもプロデュースをしているStewart Levineです。
 収録曲は、全部で9曲です。
 内容は、クルセイダーズのアルバムSouthern Comfort(1974)のようなサウンドをバックにB.B. Kingがボーカルとブルースギターを演奏しているといった感じです。
 聴いていて、クルセイダースのメンバーを中心としたサウンドとB.B. Kingのボーカルとギターがうまく融合しているなあと思いました。
 アルバムの雰囲気はとても良く、どっぷりとしたブルースフィーリングになっていませんので、私的には聴きやすいアルバムでした。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、1曲目のBetter Not Look Down、2曲目のSame Old Story(Same Old Song)、9曲目のTake It Homeの3曲で、3曲ともシェーカー、タンバリンの演奏です。
 B.B. Kingのアルバムに関しては、私のブログでも約3年半前に「サンプル6」で紹介していますので、興味のある方は、そちらのブログもぜひご覧ください。