Paulinho da Costaが参加したアルバムを紹介します。⑪

 今回のパウリーニョ・ダ・コスタが参加しているアルバムは、2000年にリリースされたアルバム4枚を紹介します。
 2000年代に入ると、パウリーニョ・ダ・コスタは、どうやらピークが過ぎたようで、自身が参加しているアルバムもだんだん少なくなってきました。
 そのため、今まで紹介できなかったアーティストやミュージシャンのベスト盤も内容がよければ紹介することにしました。ご了承ください。

Brazil(with John Pizzaelli)(2000) – Rosemary Clooney

 女性シンガーローズマリー・クルーニー(1928~2002)の晩年のアルバムです。
 収録曲は、全部で16曲。
 内容は、ローズマリー・クルーニーがボサノバ、またはボサノバ風にアレンジされたスタンダードナンバーを低音で味のあるボーカルで歌っているといったものです。
 ローズマリー・クルーニーのボーカルをギターで盛り立てているのはJohn Pizzaelliです。
 John Pizzaelliは、ギタリストですが、父親であるBicky Pizzarelliも同じくギタリストであることでも知られています。
 John Pizzaelliのギターは、このアルバムでは、アコースティックギターをメインに、リードやリズムギターを丁寧に弾いています。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、2曲目、4曲目、7曲目、11曲目、12曲目、13曲目、14曲目の全部で7曲に参加しています。
 ただ、3曲目、9曲目、10曲目にもパーカッションが入っているのですが、3曲ともパーカッションのプレイヤーに関してはノンクレジットでしたので、もしかしたら、この中の何曲かはパウリーニョ・ダ・コスタの演奏なのかもしれません。
 アルバムBrazilの中で、パウリーニョ・ダ・コスタの演奏がよかった曲は、7曲目のI Concentrate On Youで、この曲のバックの演奏は、Oscar Castro Nevesのギターとパウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションだけです。
 ギターとパーカッションだけの演奏だと、パーカッションの演奏は、コンガだけの演奏になりがちですが、パウリーニョ・ダ・コスタは、シェーカーなどを入れて、うまくアクセントをつけた演奏をしています。
 この他で、このアルバムでいいと思った曲は、1曲目のBrazilで、ローズマリー・クルーニーのボーカルとジョン・ピザレリのギターの掛け合いがよく、後半のアップテンポになる部分でのリードギターとパーカッションは聴きごたえがあります。因みに、この曲でのパーカッションの演奏は、Walfredo Reyesという方でで、このアルバムでは4曲で演奏しています。
 あとは、3曲目のBoy From Ipanemaで、Diana Krallがピアノとボーカルで参加していますが、結構、ローズマリー・クルーニーと同じく、ハスキーな声質なので、いいデュエットになっています。
 このBrazilというアルバムは、かなり渋いアルバムですが、良く聴けばいいアルバムです。
 ながら聴きではあまりアルバムの良さが伝わらないと思いますので、静かな場所でリラックスして、じっくりと聴くのがいいと思います。

 そういえば、正確な情報ではないのですが、パウリーニョ・ダ・コスタは、ウォークオブフェイムの授与式のインタビューで「Brazil」という言葉を使っていたようなので、もしかしたら、現在は、このアルバムのような曲を演奏したいのかもしれません。

Shake It Up(2000) – Boney James & Rick Braun

 サックス奏者のBoney Jamesとトランペット奏者のRick Braunの共演アルバムです。
 2000年代になるとパウリーニョ・ダ・コスタは、徐々にスムースジャズのアルバムには参加しなくなるのですが、このアルバムは、2000年代では、数少ない全面的に参加したスムースジャズのアルバムの1枚です。
 アルバムの収録曲は全部で10曲で、そのうちパウリーニョ・ダ・コスタが参加している曲は、2曲目から10曲目までの9曲で、どの曲もパーカッションの楽器をうまく使い分けた演奏をしています。
 アルバムの内容は、最初にイヤホンで聴いていて、軽量で、コンパクトサイズの乗りのいいスムーズジャズだなあというのが私の感想でした。
 ただ、イヤホンではなく、ブルートゥーススピーカーで聴くとボニー・ジェイムスのサックスとリック・ブラウンのトランペットをバランスよく、軽さもなく、全体的にもしっかりと聴くことができました。
 ブルートゥーススピーカーで聴いてアルバムの良さもわかりましたので、もしかしたらShake It Upというアルバムは、ブルートゥーススピーカー向けのサウンドなのかもしれません。
 私が、アルバムShake It Upの中で一番よかった曲は、3曲目のGrazin’ In The Grassです。
 Grazin’ In The Grassは、Hugh MasekelaのアルバムThe Promise of a Future(1968)に収録されている曲のカバーで、原曲の良さを生かしつつ、オリジナルよりもグルーブ感があり、後半にサックスソロがあることも特徴の一つです。
 Grazin’ In The Grassでのパウリーニョ・ダ・コスタのパーカッションの演奏は、カウベルが中心でオリジナルと違ってリズミカルにカウベルをたたいています。そして、サックスソロに入ったところからのタンバリンの演奏はさすがといっていいほどで、パウリーニョ・ダ・コスタらしい演奏です。
 その他には、フォー・プレイのメンバーをバックに演奏した6曲目のLove’s Like Thatやホレス・シルヴァーのカバーである7曲目のSong For My Father(アルバムSong For My Father(1965)に収録)など注目すべき曲もありますが、どの曲もよく出来ています。
 スムースジャズですのでながら聞きには最適ですが、もし、しっかり聴きたいのであれば、やはりブルートゥーススピーカーで聴くのがいちばんだと思います。

Friend For Schuur(2000) – Diane Schuur

 ジャズシンガーで、ピアニストでもあるダイアン・シューアが、2000年にリリースしたアルバムです。
 アルバムの内容は、スタンダードナンバーのカバーなどをダイアン・シューアが自身のボーカルスタイルで歌い上げるといった内容です。
 フレンドという言語がタイトルにある通り、ゲストにレイ・チャールズ、スティービー・ワンダー、ハービー・ハンコック、スティーヴン・ビショップなど友人らしき人が参加しています。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、2曲目のI’d Fly、6曲目のRed Cab Manhattan、8曲目のNever Take That Chance Againでパーカッションの演奏をしていて、この3曲の中で一番よかった演奏は、2曲目のI’d Flyでの演奏で、パーカッションの楽器をうまく使い分けるパウリーニョ・ダ・コスタらしい演奏をしています。
 アルバムFriend For Schuurの聴きどころは、レイ・チャールズとデュエットしているI Had to Be You(live)、スティービー・ワンダーがこのアルバムのために書き上げたデュエット曲であるFinallyや、スティーブン・ビショップとのデュエット曲Red Cab to Manhattan(パウリーニョ・ダ・コスタがパーカッションの演奏をしています。)、ハービー・ハンコックのピアノをフィーチャーしたI Just Call to Say I Love You、曲の作者であるAlan Bergman(ボーカル)とDave Grusin(ピアノ)が参加している4曲目のIt Might Be You(Theme From “Tootsie”)などです。
 私が注目したのは、1曲目のEasy Livingです。
 この曲にはスタン・ゲッツのサックスソロが入っているのですが、スタン・ゲッツは、1991年のお亡くなりになっていますので、この曲でのサックスソロは、スタン・ゲッツが生前演奏したサックスソロをリマスタリングして曲に組み入れたものだと思います。
 聴いていて、特に最後の部分は、なんの違和感もなくダイアン・シューアのボーカルとスタン・ゲッツのサックスがデュエットしているように聴こえます。よくできたものだと思います。
 ちなみに、スタン・ゲッツのEasy Livingは、Blue Skies(1995)(録音は1982年)に収録されています。
 Friends For Schuurは、おそらく、ながら聴きでは良さがわかりにくいですので、静かなところでじっくり聴くのがいいと思います。

Love Songs(2000) – Deniece Williams

 女性ソウルシンガー・デニース・ウィリアムスの1976年から1983年にリリースされたアルバムなどの中から代表曲を集めたベスト盤です。
 収録曲は、全部で14曲収録です。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、デニース・ウィリアムスのアルバムには5枚参加していますが、私としては、パウリーニョ・ダ・コスタは参加していない曲ですがFree(This is Niecy(1976)収録)という曲が気に入っていますので、Freeが入っていて、パウリーニョ・ダ・コスタがパーカッションの演奏している曲もあるベスト盤がいいと思い、ここで取り上げました。
 パウリーニョ・ダ・コスタは、1960年代のソウルミュージックの雰囲気がよくでているBaby, Baby My Love All For You(Songbird(1977)収録)、曲の後半で盛り上がるバラードナンバーWhy Can’t We Fall In Love?(When Love Comes Calling(1979)収録)の2曲です。パウリーニョ・ダ・コスタは、カスタネットとコンガなどでいい演奏をしています。
 Love Songsは、アルバム全体でもいい曲が多いので、興味を持った方は、ぜひ聴いてみてください。


ONE POINT

 このブログの記事の中で、Stephen Bishopという名前が出てきました。
 実は、パウリーニョ・ダ・コスタは、スティーブン・ビショップとはダイアン・シューアのアルバムでの共演だけでなく、スティーブン・ビショップのソロアルバムBish(1978)に収録されているEverybody Needs Loveという曲でも共演しています。
 Everybody Needs Loveは、ギターのカッティングから始まるのですが、このギターのカッティングがかっこよく曲の聴きどころの1つにもなっています。パウリーニョ・ダ・コスタもまた、カッティングギターの後ろでノリのいいコンガの演奏をしています。
 因みに、この曲でギターの演奏をしているのレイ・パーカー・Jrとマイケル・センベロなのですが、あくまでも私が両者のギターのプレイスタイルから推測した考えなのですが、イントロの右側(R)のはっきりとしたカッティングギターがマイケル・センベロで、左側(L)の曲全体の流れを作る少しラフなカッティングギターがレイ・パーカー・Jrだと思います。
 興味がある方は、ぜひ聴いてみてください。